飲食店営業許可の図面でNGになりやすいポイント|NG例からOK図面に直す考え方

はじめに

前回の記事では、
飲食店営業許可の図面について

  • なぜ図面が重要なのか
  • 保健所は図面のどこを見ているのか
  • 「通る図面」と「通らない図面」の考え方

を整理しました。

今回はその続きとして、
**実際のNG図面を例に「どこが問題で、どう直せばよいのか」**を解説します。

図面作成でつまずく方の多くは、
「描き方」ではなく
“何を判断されているのかが分からない” ことが原因です。


NG図面とOK図面を並べて考える

今回は、次の2つの図面を用意しました。

  • NG例:そのままでは申請が通りにくい図面
  • OK例:保健所の確認ポイントを押さえた図面

まずは全体を見比べてください。

【NG画像】

【OK画像】

一見すると、
「大きな違いはない」と感じる方も多いかもしれません。

しかし、保健所の視点で見ると、
判断に必要な情報量に大きな差があります。


NG図面のどこが問題になるのか

NG例で特に問題になりやすいのは、次の点です。

① 設備の役割が分からない

NG図面では、

  • シンク
  • 作業台
  • 冷蔵庫

といった設備が描かれていても、

  • どの用途のシンクなのか
  • 調理用か洗浄用か
  • 食材用か器具用か

が読み取れません。

図面は
「配置図」ではなく「衛生管理の説明資料」
として見られています。


② 動線が想像できない

NG例では、

  • 食材がどこから入り
  • どこで調理され
  • どこで提供されるのか

という流れが読み取れません。

保健所は、

  • 不衛生な交差が起きないか
  • 作業が現実的に可能か

を、図面から判断しています。


③ 寸法・縮尺の情報が足りない

NG図面では、

  • 通路幅
  • 作業スペース
  • 設備間の距離

が分かりません。

この状態では
「基準を満たしているかどうか」が判断できず、
修正指示が出る可能性が高くなります。


OK図面では何が改善されているか

次にOK例を見てみましょう。

【OK画像】

OK図面では、次の点が明確になっています。


① 設備ごとに役割が読み取れる

OK例では、

  • 手洗い用シンク
  • 食材洗浄用シンク
  • 器具洗浄用シンク

といった
用途の違いが図面上で判断できる構成になっています。

文字で細かく説明しなくても、
図面を見るだけで意図が伝わる状態です。


② 作業の流れが自然に想像できる

  • 食材保管
  • 下処理
  • 調理
  • 盛り付け
  • 提供

の流れが、
交差せず一方向に進む配置になっています。

これが
「この設備構成なら問題ない」と判断される大きな理由です。


③ 判断に必要な情報が過不足なく入っている

OK図面では、

  • 寸法
  • 設備の名称
  • 配置関係

が最低限そろっており、
保健所が追加で確認しなくても判断できる状態になっています。


図面作成で意識すべきポイントまとめ

今回のNG→OKの違いから分かるポイントは次の通りです。

  • 図面は「きれいに描く」ものではない
  • 判断に必要な情報を落とさず載せる
  • 衛生管理の考え方が伝わる構成にする

逆に言えば、

「何をどう判断されるのか」を理解していれば
図面作成の難易度は一気に下がります。


次回予告|実際に図面を描くときにつまずくポイント

次回は、

  • 実際にJW-CADで図面を描くとき
  • 多くの方が止まるポイント
  • 修正が入りやすい箇所

を、より具体的に解説します。

「自分で描こうとしたけど、ここで不安になる」
という部分を中心に取り上げる予定です。


図面作成に不安がある方へ

図面は、

  • 営業許可の可否を左右する重要書類
  • しかし独学では判断基準が分かりにくい部分

でもあります。

「この図面で本当に大丈夫か?」
「事前相談に持って行くレベルか分からない」

そう感じた時点で、
一度専門家の視点で整理しておくと、
後戻りを防ぐことができます。