施工管理で外国人を採用する際の注意点|技人国ビザの落とし穴を行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「施工管理として外国人を採用したいが、ビザの手続きで何か注意することはあるか確認したい」「採用後に不許可や違反が起きないよう、事前に把握しておきたい」という建設会社の方に向けて解説します。


施工管理での技人国採用は可能だが、落とし穴が多い

施工管理業務は技人国ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)で認められる職種です。しかし建設業の施工管理は現場との関わりが深い職種であるため、申請・雇用後の両面で注意すべきポイントが他の職種より多くあります。

「採用できると思っていたのに不許可になった」「更新時に問題が出た」というケースの多くは、事前の準備不足か、雇用後の業務管理が原因です。


注意点① 業務内容説明書の記載が漠然としている

技人国ビザの申請において、最も審査官が注視するのが業務内容の記載です。施工管理の場合、「施工管理全般」「現場管理業務」といった記載だけでは、現場作業との区別が伝わりません。

記載すべき内容は、工程管理・品質管理・安全管理・原価管理それぞれの具体的な業務フロー、現場に出る頻度と目的、職人・作業員との役割分担、担当する工事の規模と件数です。入管庁の審査官は建設業の実務に精通していないこともあるため、「この人が現場に行くのは作業のためではなく管理のためだ」ということが書類だけで伝わるように記載する必要があります。

💬 行政書士より: 申請書類の作成は社内の担当者が行う場合もありますが、施工管理の業務内容説明書は「どこまで書けば十分か」の判断が難しいケースです。入管庁に追加資料を求められた場合、審査が数か月単位で遅延することもあります。書類の構成段階から専門家に相談することをおすすめします。


注意点② 採用する外国人の学歴と業務の関連性

施工管理で技人国ビザを取得するには、採用する外国人本人が以下のいずれかを満たしている必要があります。

  • 建築学・土木工学・機械工学など施工管理に関連する分野の大学または専門学校を卒業していること
  • 施工管理に係る10年以上の実務経験があること(建築・土木系の専門学校を卒業している場合は7年以上)

文学・語学・観光など施工管理と無関係の専攻の場合、原則として技人国ビザの取得は困難です。採用候補者が決まった段階で、学歴と業務内容の関連性を必ず確認してください。


注意点③ 雇用後の業務が変わった場合の届出

採用後に外国人の担当業務が変わった場合でも、在留カードに記載されている在留資格は変わりません。しかし業務内容が在留資格の範囲を逸脱していた場合、更新時の審査で発覚し不許可になるリスクがあります。

特に注意が必要なのは以下のケースです。

  • 施工管理として採用したが、現場の人手不足で実際は作業員と同じ業務をさせている
  • 担当工事がなくなり、事務作業や資材搬入などをさせている期間が長い
  • 転職・部署異動で全く異なる業務に就かせている

外国人本人が所属機関(雇用先)を変わった場合は14日以内に届出が必要です(入管法第19条の16)。業務内容の大幅な変更は、在留資格変更許可申請が必要になる場合があります。


注意点④ 不法就労助長罪のリスク

雇用企業が外国人に在留資格の範囲外の業務をさせた場合、不法就労助長罪(入管法第73条の2)に問われるリスクがあります。この場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象となります。「知らなかった」「外国人本人が希望した」という事情は免責事由になりません。

施工管理として採用した外国人を現場作業に従事させることは、このリスクに直結します。


注意点⑤ 在留期間の管理

在留期間の満了前に更新申請を行う必要があります。更新申請は満了日の3か月前から可能です(入管法施行規則第21条の2)。更新を忘れたまま在留期間が満了すると、不法滞在になります。

建設会社では外国人社員の在留期間の管理を人事部門が把握しておらず、本人任せになっているケースが見られます。採用時に在留カードの有効期限を記録し、更新時期が近づいたら会社側からも確認することをおすすめします。

💬 行政書士より: 更新時の審査では、前回申請時の業務内容と実態が一致しているかも確認されます。申請書類に記載した業務フローと実際の業務が乖離していると、更新が認められないケースがあります。採用時の業務内容説明書の内容を会社として保管し、実際の業務との整合性を定期的に確認することが重要です。


まとめ

施工管理での外国人採用は技人国ビザで対応できますが、業務内容説明書の精度・学歴との関連性・雇用後の業務管理・在留期間の管理という4つの観点で注意が必要です。採用前の準備と採用後の継続的な管理の両方が、トラブルを防ぐうえで重要です。


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