建設業許可の取得の流れ|申請から許可までを行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「建設業許可を取りたいが、何から始めればいいかわからない」「どれくらいの期間と手間がかかるのか知りたい」という方に向けて、申請から許可までの全体の流れと、各ステップの注意点を解説します。


全体の流れ

建設業許可の取得は、大きく5つのステップで進みます。

① 要件の確認 → ② 書類の収集・準備 → ③ 申請書の作成 → ④ 窓口への提出 → ⑤ 審査・許可

申請してすぐ許可が下りるわけではなく、東京都知事許可の場合、申請受付後25日(閉庁日除く)が標準処理期間です。工事の予定や取引先からの期限がある場合は、逆算して早めに動くことが重要です。


ステップ①|要件の確認

最初にすべきことは、許可を取得できる要件を満たしているかどうかの確認です。要件を満たしていなければ申請できず、書類を準備しても無駄になってしまいます。

主な要件は以下のとおりです。

要件概要
経営業務管理責任者建設業の経営経験が一定年数以上ある人が役員等にいること
営業所技術者(専任技術者)申請業種に対応した資格または実務経験を持つ人が営業所にいること
財産的基礎自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力があること
営業所請負契約を締結できる実態のある事務所があること
社会保険法人は健康保険・厚生年金、個人事業主は国民健康保険等に加入していること
欠格要件過去に許可取消・法令違反等がないこと

💬 行政書士より: 要件の中で最も確認に時間がかかるのが「経営業務管理責任者」と「営業所技術者」の2つです。特に実務経験で証明する場合、過去の工事契約書・請求書・通帳などを年数分揃える必要があります。「書類が残っていない」「前の会社が証明してくれない」というケースも多く、ここが最初の壁になりがちです。


ステップ②|書類の収集・準備

要件を確認したら、申請に必要な書類を集めます。書類は大きく「申請書類」と「証明書類」に分かれます。

申請書類(国の定める様式)

  • 建設業許可申請書
  • 役員等の一覧表
  • 営業所一覧表
  • 専任技術者一覧表 など

証明書類(各機関から取得)

  • 登記事項証明書(法務局)
  • 納税証明書(税務署・都税事務所)
  • 身分証明書(本籍地の市区町村)
  • 登記されていないことの証明書(法務局)

要件証明書類

  • 実務経験証明書(工事の契約書・注文書等)
  • 資格証の写し
  • 財務書類(貸借対照表・損益計算書等)

書類の種類は申請内容によって異なり、東京都への申請では申請書一式が10種類以上になることもあります。

💬 行政書士より: 書類収集で特に手間がかかるのが、実務経験の証明に使う過去の工事書類です。10年分の証明が必要な場合、契約書や請求書を年ごとに揃える作業だけで数週間かかることがあります。また証明書類には有効期限(発行から3か月以内のものが多い)があるため、申請書の完成に合わせて収集するタイミングにも注意が必要です。


ステップ③|申請書の作成

書類が揃ったら、国の定める様式に従って申請書を作成します。記載内容に誤りや漏れがあると、窓口で受理されないか、補正を求められます。

申請書は専門的な用語が多く、初めての方には分かりにくい部分もあります。特に「業種の選択」「技術者の記載方法」「営業所の区分」などは、理解して正確に記載する必要があります。


ステップ④|窓口への提出

申請書類が完成したら、許可区分に応じた窓口に提出します。

  • 知事許可:各都道府県の担当窓口(東京都の場合は都庁第二本庁舎)
  • 大臣許可:各地方整備局

提出時に申請手数料が必要です。新規申請の手数料は以下のとおりです。

  • 知事許可:9万円(業種追加・更新は5万円)
  • 大臣許可:登録免許税15万円(本店所在地を管轄する税務署に納付)

複数の申請区分を同時に行う場合は加算されます(例:業種追加と更新を同時申請→5万円+5万円=10万円)。法人・個人の区別はなく、申請区分で金額が決まります。

窓口では書類の形式確認が行われ、不備があればその場で指摘されます。事前に書類を整理して持参することで、当日のやり直しを防げます。


ステップ⑤|審査・許可

申請受付後、行政による内容審査が行われます。東京都知事許可の標準処理期間は、申請受付後25日(閉庁日除く)です。

審査期間中に追加書類の提出を求められることもあります。問題がなければ「建設業許可通知書」が交付され、正式に許可業者として営業できるようになります。

許可が下りたら、許可票(標識)を営業所と工事現場に掲示する義務があります。


許可取得後も手続きが続く

建設業許可は取得して終わりではなく、以下の維持手続きが必要です。

  • 決算変更届:毎事業年度終了後4か月以内に提出
  • 変更届:役員・技術者・営業所などに変更があった場合、随時提出
  • 更新申請:5年ごとに更新申請が必要(期限切れで失効すると再申請が必要)

これらを怠ると許可に影響するため、取得後のスケジュール管理も重要です。


まとめ|準備期間を含めると2〜3か月は見ておく

建設業許可の取得は、要件確認・書類収集・申請書作成・審査期間を合わせると、スムーズに進んでも2か月前後かかるのが一般的です。書類が揃いにくいケースや補正が発生した場合はさらに長くなることがあります。

「来月の工事までに許可が必要」という状況では間に合わないことが多いため、必要になる前に動き始めることが重要です。


申請の流れを確認したい方へ

「自分の場合、どの要件が問題になるか確認したい」「どのくらいの期間で取得できるか見通しを立てたい」という方はご相談ください。現在の状況をお聞きした上で、申請までの具体的なスケジュールをご案内します。

まずはこちらからご相談ください


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