専任技術者が退職した場合はどうする?対処法を行政書士が解説
この記事はこんな方へ
「専任技術者(営業所技術者)が退職することになったが、許可への影響を確認したい」「後任の専任技術者候補がいない場合にどう対応すればいいか知りたい」という方に向けて、退職時の手続きと対処法を解説します。
専任技術者が退職した場合は2週間以内に変更届が必要
専任技術者が退職・辞職した場合、変更後2週間以内に変更届(営業所技術者等の変更・No.15)を提出する義務があります(令和7年度版東京都手引きP85・建設業法第11条)。
ただし経管の退職と異なり、専任技術者は業種ごとに必要なため、後任がいない場合の影響が「許可業種の廃業」にとどまる場合もあります。
後任の専任技術者がいる場合|速やかに変更届を提出する
後任候補が社内にいる場合は、退職後2週間以内に変更届を提出します。
変更届に必要な主な書類
- 変更届出書(様式第22号の2)
- 営業所技術者等証明書(様式第8号)
- 後任専任技術者の資格証の写しまたは実務経験証明書と裏付け書類
- 後任専任技術者の常勤性確認書類(マイナ保険証または資格確証書等)
- ※令和7年12月2日以降の届出では健康保険証(旧様式)は使用不可
後任候補が要件を満たすかどうかは、変更届の審査で確認されます。
💬 行政書士より: 後任候補の資格・経歴を事前に整理してから変更届の準備を始めることをおすすめします。「この資格で専任技術者になれるか」という確認からでもご相談ください。
後任の専任技術者がいない場合|選択肢は3つ
後任候補がいない場合、以下の3つの選択肢から状況に応じて対応します。
選択肢①|その業種の許可を廃業(一部廃業)する
専任技術者が不在になった業種について、「一部廃業届」を提出して許可業種を廃止する方法です(令和7年度版手引きP85・No.16)。
その業種の500万円以上の工事は受注できなくなりますが、他の業種の許可は維持されます。たとえば内装仕上工事業と大工工事業の許可を持っていて、大工工事業の専任技術者がいなくなった場合、大工工事業だけを廃業すれば内装仕上工事業の許可は継続できます。
一部廃業届の提出期限は、営業所技術者の変更を伴う業種廃止のため変更後2週間以内です。
選択肢②|資格取得を目指して後任を育てる
社内に専任技術者候補になり得る人材がいる場合、施工管理技士等の資格取得を目指してもらう方法です。資格取得まで許可業種を維持するには、期間中の工事受注を500万円未満に抑えるか、後任候補を技術者として工事現場に携わらせながら資格取得を目指すことになります。
選択肢③|要件を満たす人材を採用・招聘する
外部から専任技術者の要件を満たす人材を採用する方法です。採用・常勤確認ができ次第、変更届を提出します。
専任技術者が退職すると「現場への影響」も出る
専任技術者の退職は、変更届の問題だけでなく、現場の主任技術者・監理技術者の配置にも影響する場合があります。
工事現場への技術者配置は、専任技術者とは別の要件ですが、小規模事業者では同一人物が営業所の専任技術者と現場の主任技術者を兼務しているケースが多いです。専任技術者が退職した後、現場に適切な技術者を配置できるかどうかも合わせて確認が必要です。
経管の退職との違い
| 経管の退職 | 専任技術者の退職 | |
|---|---|---|
| 変更届の期限 | 2週間以内 | 2週間以内 |
| 後任がいない場合 | 許可全体に影響(全業種) | 該当業種のみ影響(一部廃業で他業種は維持可) |
| 許可への影響 | 後任なしでは許可維持困難 | 一部廃業という選択肢がある |
専任技術者の退職は経管の退職と比べると、「一部廃業で他業種の許可を維持できる」という選択肢がある分、柔軟な対応が取れます。ただしその業種の工事が主力の場合は、事業への影響が大きくなるため早急な対応が必要です。
まとめ
専任技術者が退職した場合は2週間以内に変更届が必要です。後任がいる場合は速やかに変更届を提出します。後任がいない場合は一部廃業・人材採用・資格取得の3つの選択肢があります。どの選択肢が現実的かは事業の状況によって異なりますので、早めにご相談ください。
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