建設業許可の廃業届|提出が必要なケースと手続きを行政書士が解説
この記事はこんな方へ
「建設業をやめることになったが、廃業届の手続きを確認したい」「一部の業種だけ許可を返上したい」という方に向けて、廃業届が必要なケースと手続きを解説します。
廃業届とは
建設業許可を取得している事業者が、一定の事由に該当した場合、許可行政庁(東京都知事許可の場合は東京都建設業課)に廃業届を提出する義務があります(建設業法第12条)。
廃業届には、取得している全業種の許可をすべて返上する「全部廃業」と、一部の業種の許可のみを返上する「一部廃業」の2種類があります。
廃業届が必要なケースと届出者
以下の事由に該当した場合、30日以内に廃業届の提出が必要です(令和7年度版東京都手引きP110)。
| 廃業等の理由 | 届出すべき者 |
|---|---|
| 許可を受けた個人事業主が死亡したとき | 相続人(配偶者・直系尊属・子など) |
| 法人が合併により消滅したとき | 消滅時に役員であった者 |
| 法人が破産手続開始の決定により解散したとき | 原則として破産管財人 |
| 法人が合併または破産手続開始の決定以外の事由により解散したとき | 清算人 |
| 許可を受けた建設業を廃止したとき | 法人:代表者(申請人)/個人:本人 |
💬 行政書士より: 廃業届を出さずに許可を放置するケースがあります。許可の有効期間が切れても廃業届は義務ですし、許可が失効した後でも更新手続きなどで混乱が生じる場合があります。建設業をやめる場合は速やかに廃業届を提出することをおすすめします。
全部廃業と一部廃業の違い
全部廃業 取得しているすべての業種の許可を返上します。建設業をすべてやめる場合・会社を解散する場合などが該当します。
一部廃業 取得している業種の一部だけを廃止します。たとえば内装仕上工事業と大工工事業の許可を持っていて、大工工事業だけをやめる場合などが該当します。
一部廃業の場合、廃業届の提出期限は変更後30日以内ですが、廃業する業種に専任技術者の変更が伴う場合は2週間以内の届出が必要です。
廃業届の提出に必要な書類
廃業届(様式第22号の4)の提出に必要な主な確認資料は以下のとおりです(令和7年度版手引きP110)。
法人が建設業を廃止する場合(理由5)
- 代表者の印鑑証明書(発行後3か月以内)
個人事業主が建設業を廃止する場合(理由5)
- 本人の運転免許証等の写しまたは印鑑証明書
個人事業主が死亡した場合(理由1)
- 届出者(相続人)の印鑑証明書
- 戸籍謄本(個人事業主の死亡および届出者が相続人であることを確認できるもの)
法人が合併により消滅した場合(理由2)
- 役員個人の印鑑証明書
なお廃業届の提出時は、印鑑証明書・登記事項証明書は発行後3か月以内のものが必要です。
廃業届提出前に確認すること
住所・氏名・商号に変更がある場合は先に変更届を提出する 廃業届を提出する際に、住所・商号・代表者氏名などに変更がある場合は、変更届を先に提出する必要があります(令和7年度版手引きP110・P111)。廃業届と変更届を同時に提出する場合は、変更届を先に処理してもらうよう窓口に伝えてください。
決算変更届の未提出がある場合 廃業届を提出する前に、未提出の決算変更届がある場合は、廃業届と合わせて提出することが求められます。廃業する年度の決算変更届は、廃業届と同時に提出することができます。
廃業届を出さないとどうなるか
廃業届の提出を怠った場合、建設業法第50条に基づき6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。
また許可の有効期間が切れている場合でも、廃業届は提出義務があります。「許可が切れているから不要」という理解は誤りです。
相続人が許可を引き継ぎたい場合
個人事業主が死亡した場合、相続人が建設業を継続したい場合は廃業届ではなく、相続の認可申請を行うことで許可を引き継ぐことができます(死亡後30日以内)。
→ 詳しくは「建設業許可の事業承継・相続」で解説しています。
まとめ
廃業届は、建設業をやめる・会社を解散する・個人事業主が死亡するなどの事由が発生した場合に30日以内の提出が義務付けられています。全部廃業と一部廃業の2種類があり、廃業前に変更届の提出状況と決算変更届の未提出がないかを確認することが重要です。
廃業届の手続きについてご相談したい方へ
「廃業届の手続きを確認したい」「一部廃業を検討している」という方のご相談を承っています。


