建設業許可取得後の義務|変更届・決算報告・標識掲示を行政書士が解説
この記事はこんな方へ
「建設業許可を取得した後に何をしなければならないか知りたい」「許可後に変更があった場合の手続きを確認したい」という方に向けて、許可取得後に必要な義務を解説します。
許可取得は「ゴール」ではなく「スタート」
建設業許可を取得した後も、法律で定められた義務が継続します。これらを怠ると罰則(懲役6か月または100万円以下の罰金)の対象になるほか、更新申請・業種追加申請が受け付けられなくなります(建設業法第50条)。
許可後の主な義務は以下の3つです。
- 毎年の決算報告(決算変更届)
- 変更があった場合の変更届
- 標識(許可票)の掲示
義務①|毎年の決算報告(決算変更届)
建設業許可を持つすべての事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に決算報告(決算変更届)を提出する義務があります(令和7年度版東京都手引きP85)。
たとえば3月末決算の法人であれば7月末、12月末決算の個人事業主であれば4月末が提出期限です。
提出を怠ると更新申請・業種追加申請が受け付けられなくなります。1年分でも未提出があれば、更新時にまとめて提出する必要が生じます。
→ 決算変更届の詳細は「決算変更届とは」で解説しています。
義務②|変更があった場合の変更届
許可取得後に会社・事業所に変更が生じた場合は、変更届の提出が必要です。変更の内容によって提出期限が異なります(令和7年度版東京都手引きP85)。
変更後2週間以内に届出が必要なもの
| 変更事項 |
|---|
| 常勤役員等(経管)の変更 |
| 営業所技術者等(専任技術者)の変更 |
| 健康保険等の加入状況の変更 |
経管・専任技術者は許可の核心となる人的要件のため、変更が生じた場合は速やかな届出が求められます。
変更後30日以内に届出が必要なもの
| 変更事項 |
|---|
| 商号の変更 |
| 営業所の名称・所在地・電話番号・郵便番号の変更 |
| 営業所の新設・廃止(※) |
| 営業所の業種の追加・廃止(※) |
| 資本金額の変更 |
| 役員等・代表者の変更 |
| 支配人の変更 |
| 建設業法施行令第3条に規定する使用人の変更 |
※営業所技術者等(専任技術者)の変更を伴う、営業所の新設・廃止・業種追加・業種廃止については変更後2週間以内の届出が必要です。
💬 行政書士より: 変更届で特に見落とされやすいのが「役員の変更」と「専任技術者の変更」です。役員が退任・就任した場合や、専任技術者が退職・交代した場合は2週間以内または30日以内の届出が必要です。変更があったときは早めに対応することをおすすめします。
義務③|標識(許可票)の掲示
建設業許可を取得した事業者は、建設業を営む事務所(営業所)と建設工事の現場のそれぞれに、公衆の見やすい場所に標識を掲示する義務があります(建設業法第40条・令和7年度版手引きP17)。
標識に記載する主な事項は以下のとおりです。
事務所(営業所)に掲げる標識
- 一般建設業または特定建設業の別
- 許可年月日・許可番号・許可を受けた建設業の種類
- 商号または名称
- 代表者の氏名
- 主たる営業所の所在地
建設工事の現場に掲げる標識
- 上記に加えて、工事の現場に配置する技術者の氏名・保有資格等
標識の様式は建設業法施行規則で定められています。市販品を購入するか、様式に従って作成してください。
💬 行政書士より: 許可取得後に「標識はどこで入手できますか」という質問をよくいただきます。市販の許可票(金属製・アクリル製など)が建設業関連の資材店やオンラインで販売されています。事務所用と現場用の2種類が必要です。
義務④|5年ごとの更新申請
建設業許可の有効期間は5年間です。引き続き建設業を営む場合は、満了日の2か月前から30日前までに更新申請が必要です。
更新を怠って許可が失効すると、改めて新規申請からやり直す必要があります。救済措置はありません。
→ 更新申請の詳細は「建設業許可の更新手続き」で解説しています。
変更届の提出忘れが引き起こす問題
変更届が未提出のまま放置されると、以下の問題が生じます。
更新・業種追加申請が受け付けられない
必要な変更届が提出されていない状態では、更新申請・業種追加申請・般特新規申請・事前認可申請は受け付けてもらえません。更新時期が近づいてから気づくと、期限内に対応できなくなるリスクがあります。
罰則の対象になる
変更届の提出義務違反は、建設業法第50条に基づき懲役6か月または100万円以下の罰金の対象です。
まとめ
建設業許可取得後の主な義務は、毎年の決算報告・変更があった場合の変更届(2週間または30日以内)・標識の掲示・5年ごとの更新申請の4つです。これらを怠ると罰則と更新申請の受付拒否というリスクが生じます。変更があった際は早めに対応することが重要です。
許可後の手続きについてご相談したい方へ
「変更届の提出漏れがないか確認したい」「毎年の決算変更届を任せたい」という方のご相談を承っています。


