建設業で技人国ビザが認められる職種とは|審査のポイントを行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「建設会社で外国人を採用したいが、どの職種なら技人国ビザで認められるか詳しく知りたい」「採用後に不許可にならないよう、審査のポイントを確認したい」という企業の方に向けて解説します。


技人国ビザで認められる業務の基準

技人国ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)で認められる業務は、入管法別表第一の二の表に定める活動、すなわち「理学、工学その他の自然科学の分野または法律学、経済学、社会科学その他の人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務」または「外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務」です。

建設業に当てはめると、「学術的な専門知識を必要とする業務」が対象で、習熟によって習得できる現場作業(単純労働)は対象外という整理になります。


職種別の審査ポイント

施工管理(現場監督)

施工管理業務は、工程管理・品質管理・安全管理・原価管理などを担う高度な専門業務であり、技人国ビザで認められる典型的な職種です。国土交通省の外国人建設技術者受入ハンドブック(令和7年4月)でも、施工管理技術者は技人国ビザで受け入れられる外国人建設技術者の代表例として明記されています。

審査のポイント 申請時に「職務を遂行するために現場に出る必要がある」ことを立証することが重要です。施工管理は現場に出る機会が多いため、「現場作業をしているのではないか」と疑われることがあります。業務内容説明書・雇用契約書で、現場に出る目的が「管理・監督のため」であることを明記してください。

建築設計・土木設計

建築士・土木系の資格を持つ外国人が建築・土木の設計業務に従事する場合は、技人国ビザが認められます。建築士の国家資格を保有している場合は、専門性の立証がよりスムーズになります。

審査のポイント 設計業務に従事するための学歴(建築学・土木工学などの専攻)または10年以上の実務経験が必要です。従事する業務と専攻の関連性を明確にすることが重要です。

CADオペレーター

CADソフトを使った図面作成・修正業務は、専門的な知識とスキルを必要とするため、技人国ビザの対象になり得ます。

審査のポイント 近年、CADオペレーターは未経験者採用も増えており、入管庁の審査では「業務の専門性」が厳しく確認されます。単純なデータ入力的な業務ではなく、建築・土木の専門知識を要する図面作成であることを、業務内容説明書で具体的に示す必要があります。CAD専門学校または建築系学科の卒業が、専門性の立証に有効です。

測量・積算

測量業務(測量計算・成果品の作成など)や積算業務(工事費の算出・数量計算など)も、専門的な知識を要する業務として技人国ビザの対象になり得ます。

審査のポイント 測量・積算はそれぞれ専門資格(測量士・建築積算士など)との関連性を示すと審査がスムーズになります。測量補助作業(機材の設置・記録のみ)は専門業務と認められない場合があるため、業務内容を具体的に記載することが重要です。

営業職

建設工事の受注営業・見積もり作成・顧客折衝などの営業業務は、建設に関する専門的な知識を要する業務として技人国ビザで認められます。

審査のポイント 営業職の場合、従事する業務と学歴の関連性として「建設・土木・建築系の専攻」または「経営学・法律学・経済学などの人文系専攻」のいずれかが求められます。純粋な建設の専攻でなくても、ビジネス系の学歴で建設業の営業業務に従事することは認められています。

管理部門(総務・人事・経理・法務)

法律学・経済学・経営学などを専攻した外国人が管理部門に従事する場合は、技人国ビザの人文知識分野として認められます。建設業特有の知識は必ずしも必要ではなく、一般的な管理業務の専門性が審査されます。

💬 行政書士より: 建設会社での採用申請で入管庁が特に注意するのは「施工管理という名目で実態は現場作業をさせていないか」という点です。雇用後に業務内容が変わることもあるため、申請時の業務内容説明書と実際の業務が一致していることが更新時の審査でも重要になります。採用前の段階で業務内容と職務分掌を明確にしておくことをおすすめします。


現場に出ることと「現場作業」の違い

建設業では、技人国ビザで認められる業務(施工管理・設計など)であっても現場に出ることは多いです。「現場に出る=現場作業=不可」ではありません。

入管庁のガイドラインでは、「職務を遂行するために現場に出る必要があることを立証」すれば、施工管理担当者が現場に立ち入ることは技人国ビザの範囲内と認められています。問題になるのは「職人と同様の作業(とび・左官・型枠など)に日常的・反復的に従事している」場合です。


研修として現場作業をさせる場合

入社当初の研修として現場作業を経験させることは、一定の条件のもとで認められています。条件は以下のとおりです。

  • 日本人の大卒社員等に対しても同様に行われる実務研修の一環であること
  • 在留期間中の活動の大半を占めないような短期間であること
  • 研修終了後に技人国ビザに該当する業務に就くことが明確であること

申請時に研修計画・研修期間・研修終了後の業務内容を書類で示すことが必要です。


まとめ

建設業での技人国ビザ申請は、「どの職種か」よりも「その業務が専門的な知識を必要とする業務かどうか」で判断されます。施工管理・設計・CAD・営業・管理部門は認められやすい職種ですが、いずれも業務内容の説明と学歴・実務経験との関連性を明確に示すことが審査のカギです。


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