経営業務管理責任者が退職した場合はどうする?対処法を行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「経営業務管理責任者(経管)が退職・辞任することになったが、許可への影響を確認したい」「後任の経管候補がいない場合どうなるか知りたい」という方に向けて、経管退職時の手続きと対処法を解説します。


経管が退職・辞任した場合は2週間以内に変更届が必要

経管が退職・辞任した場合、変更後2週間以内に変更届(常勤役員等の変更・No.13)を提出する義務があります(令和7年度版東京都手引きP85・建設業法第11条)。

届出が必要な状況は以下のとおりです。

  • 現在の経管が会社を退職した
  • 経管だった取締役が辞任した
  • 経管が別会社の常勤役員に就任して常勤性を失った

変更届の提出と同時に、後任の経管を届け出ることで許可を継続できます。


後任の経管がいる場合|速やかに変更届を提出する

後任の経管候補が社内にいる場合は、退職・辞任後2週間以内に変更届を提出します。

変更届に必要な主な書類

  • 変更届出書(様式第22号の2)
  • 常勤役員等証明書(様式第7号)
  • 後任経管の経営経験を示す書類(工事請負契約書等・期間通年分)
  • 後任経管の常勤性確認書類(マイナ保険証または資格確証書等)
  • 登記事項証明書(前任者の退任・後任者の就任が確認できる履歴事項証明書)

後任経管が要件を満たすかどうかは、変更届の審査で確認されます。要件を満たさない場合は変更届が受理されません。

💬 行政書士より: 経管の変更届は、後任候補が要件を満たしているかどうかの確認も含めて進める必要があります。後任候補の経歴を事前に整理した上で届出の準備を始めることをおすすめします。


後任の経管がいない場合|許可取消のリスクがある

後任の経管候補がいない場合、状況によっては許可の取消しになる可能性があります。建設業法上、経管の要件を満たす者が不在になった場合は許可を維持できません(建設業法第29条の2)。

ただし、すぐに許可が取り消されるわけではありません。東京都の実務では、後任を探す努力をしながら早急に後任を立てることが求められます。

まず取るべき行動

① 退任した経管が当面の間「顧問・相談役」として会社に残れるか確認します。顧問・相談役であっても、経管の要件を継続して満たせる場合(たとえば5年以上の経営経験を持つ役員が別にいる場合など)は問題ありません。ただし「経管の名義だけ残す」名義貸しは絶対に避けてください。

② 社内の他の役員・従業員の中に経管要件を満たす候補者がいないか再確認します。

③ 要件を満たす人材を外部から招く方法を検討します(役員への就任が必要・常勤が必須)。

④ 上記が難しい場合、後任が見つかるまでの間は500万円以上の工事の受注を控えることを検討します。

💬 行政書士より: 「後任が見つかるまで今の経管の名前を使い続ける」という名義貸しは、許可の取消しと刑事罰のリスクがあります。また「しばらく新しい工事は受けないから大丈夫」という判断も、書面上は経管不在の状態が続くことになります。発覚した場合のリスクを考えると、早急に正規の対応を取ることが重要です。


個人事業主の経管が亡くなった場合

個人事業主(本人が経管を兼ねているケース)が亡くなった場合は、変更届ではなく以下の対応が必要です。

  • 相続人が建設業を継続する場合:死亡後30日以内に相続の認可申請を行う
  • 継続しない場合:死亡後30日以内に廃業届を提出する

相続の認可申請については「建設業許可の事業承継・相続」で詳しく解説しています。


経管退職の影響まとめ

状況対応期限
後任の経管がいる変更届を提出退職後2週間以内
後任がいない・探し中後任を早急に確保しながら変更届を準備できる限り速やかに
個人事業主が死亡相続認可申請または廃業届死亡後30日以内

まとめ

経管が退職・辞任した場合は2週間以内に変更届が必要です。後任がいる場合は速やかに変更届を提出し、いない場合は名義貸しに頼らず正規の方法で後任を確保することが重要です。状況が複雑な場合は早めにご相談ください。


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