建設会社が準備する技人国申請書類|チェックリストと作成のポイントを行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「技人国ビザの申請書類として何を用意すればよいか確認したい」「建設業特有の書類作成で注意すべき点を知りたい」という建設会社の経営者・採用担当者の方に向けて解説します。


書類準備は「会社が用意するもの」と「本人が用意するもの」に分かれる

技人国ビザの申請書類は、雇用する建設会社側が用意するものと、採用する外国人本人が用意するものに大きく分かれます。申請の主体は外国人本人ですが、実務上は会社側が主導して書類を揃えるケースがほとんどです。


会社側が用意する書類

① 申請書(在留資格認定証明書交付申請書)

新規に日本へ入国する外国人を採用する場合は、在留資格認定証明書交付申請書を使用します。出入国在留管理庁のウェブサイトからダウンロードできます。記載内容に誤りがあると審査が遅延するため、特に従事する業務内容の欄は正確に記載してください。

② 雇用契約書(労働条件通知書)

労働基準法第15条に基づき、労働条件を明示した書面が必要です。記載事項として特に重要なのは、職種・業務内容・報酬額・労働時間・勤務地です。報酬額は日本人と同等以上であることが求められます(入管法上陸基準省令)。

施工管理での採用の場合、「業務内容」の欄に「施工管理全般」とだけ記載するのは避けてください。工程管理・品質管理・安全管理・原価管理など、具体的な業務内容を記載することが審査での評価につながります。

③ 業務内容説明書(理由書)

建設業での技人国申請において、最も重要度が高い書類です。法定書類ではありませんが、建設業という業種の性質上、審査官が業務の専門性を判断するための根拠資料として機能します。

記載すべき内容は以下のとおりです。

  • 会社の事業内容と採用背景(なぜこの外国人を採用するのか)
  • 採用する外国人が従事する具体的な業務内容(施工管理・設計・CADなど)
  • 現場に出る場合はその目的・頻度・役割(管理・監督であることを明示)
  • 職人・作業員との役割分担と指揮命令系統
  • 担当する工事の種類・規模・件数の見込み

④ 会社の登記事項証明書

法務局で取得できます。発行から3か月以内のものが必要です。オンライン申請でも取得可能です。

⑤ 事業内容を明らかにする書類

会社案内(パンフレット)、または会社の沿革・役員・組織・事業内容・主要取引先と取引実績を記載した文書が必要です。建設会社の場合、施工実績・元請・下請の別・許可番号(建設業許可を取得している場合)などを記載すると、会社の規模・実態が伝わりやすくなります。

⑥ 直近年度の決算書類

貸借対照表・損益計算書などの決算書類の写しが必要です。新設会社の場合は事業計画書で代替できます。業績が赤字・債務超過の場合は追加の説明資料が求められることがあります。

⑦ 所属機関の代表者に関する申告書(カテゴリー3・4の場合)

2026年4月15日以降の申請から、カテゴリー3または4に該当する企業(中小建設会社の多くが該当)は、代表者に関する申告書の提出が新たに必要になっています。出入国在留管理庁の参考様式を使用します。

💬 行政書士より: 中小建設会社はカテゴリー4に該当するケースが多く、提出書類の数が最も多くなります。カテゴリー1・2(上場企業・源泉徴収税額1,000万円以上の企業)に比べ、会社の実態を証明する書類が重要になります。会社案内や施工実績一覧は、写真や図面を交えて具体性を持たせることをおすすめします。


外国人本人が用意する書類

① 学歴証明書

大学・専門学校等の卒業証明書が必要です。外国の学校の証明書は日本語訳文の添付が必要です。従事する業務内容との関連性(建築・土木系の専攻など)が審査されます。

② 職務経歴書(履歴書)

従事した機関・業務内容・期間を記載した履歴書が必要です。実務経験で学歴の不足を補う場合(10年以上の実務経験など)は、この書類が審査の核心になります。

③ 在職証明書・実務経験証明書

以前の勤務先から発行してもらう書類です。業務内容・在籍期間・担当した業務の具体的な内容が記載されていることが重要です。外国の機関が発行したものは日本語訳文の添付が必要です。


建設業特有の追加資料

建設業での申請では、上記に加えて以下の資料が審査を有利に進める場合があります。

  • 建設業許可証の写し(許可を取得している場合):会社の信頼性・実態の証明になります
  • 施工管理技士・建築士などの国家資格の証明書(外国人本人が保有している場合)
  • 現場の体制図・組織図(現場での役割・指揮命令系統を図示したもの)

書類準備の流れ

まず採用する外国人の学歴・職歴を確認し、要件を満たしているか判断します。次に業務内容説明書・雇用契約書の内容を固め、会社側の書類(登記事項証明書・決算書・会社案内)を取り寄せます。外国人本人の書類(卒業証明書・職歴証明書など)は早めに手配するよう伝えてください。外国の機関から取得する書類は時間がかかる場合があります。


まとめ

建設会社が技人国ビザ申請で用意する書類の中で、最も重要なのは業務内容説明書(理由書)です。建設業という業種の性質上、審査官が業務の専門性と現場作業との区別を理解できるよう、具体的かつ丁寧な記載が許可を得るカギになります。


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