建設業許可の財産的基礎とは|500万円の要件と証明方法を行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「建設業許可を取りたいが、財産的基礎の要件を満たしているか確認したい」「自己資本500万円が用意できない場合はどうすればよいか」という方に向けて、要件の内容と証明方法を解説します。


財産的基礎とは

財産的基礎とは、建設業許可の要件のひとつで、建設業を継続して営むための経済的な基盤があるかどうかを確認するものです(建設業法第7条第4号)。

建設工事は受注から代金回収まで時間がかかることが多く、その間の支払いを賄う資金力が必要です。この要件は、経営基盤が不安定な業者を排除し、発注者や下請業者を保護する目的で設けられています。


一般建設業の財産的基礎|3つのいずれかを満たす

一般建設業の許可を取得するには、以下の3つのうちいずれかを満たす必要があります。

要件①|自己資本500万円以上 直近の決算書における純資産額(自己資本)が500万円以上であること。法人の場合は貸借対照表の純資産の部合計、個人の場合は期首資本金・事業主借・事業主利益などの合計で判断します。

要件②|500万円以上の資金調達能力 申請時において、金融機関が発行する500万円以上の預金残高証明書を提示できること。残高証明書は申請時の直近1か月以内に発行されたものが必要です。

要件③|直前5年間許可を受けて継続して営業してきた実績 更新申請の場合に限り、直前5年間の継続した許可実績をもって要件を満たすことができます。新規申請では使えません。

💬 行政書士より: よくある誤解として「純資産額300万円+預金200万円で合計500万円」と考えるケースがあります。しかし要件①と要件②は別々の基準であり、合算して判断することはできません。それぞれ単独で500万円を満たす必要があります。


特定建設業の財産的基礎|より厳格な要件

特定建設業の場合、財産的基礎の要件は一般建設業より厳しくなります。以下のすべてを満たす必要があります。

  • 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金の額が2,000万円以上であること
  • 自己資本の額が4,000万円以上であること

特定建設業の財産要件は決算書の内容で判断されるため、設立間もない会社や赤字決算の会社では要件を満たせないケースがあります。


財産的基礎を証明する書類

要件証明書類
自己資本500万円以上(法人)直近の決算書(貸借対照表)
自己資本500万円以上(個人)直近の確定申告書(収支内訳書または貸借対照表)
預金残高証明(資金調達能力)金融機関発行の残高証明書(申請時直近1か月以内)

設立直後・決算未了の法人の場合

会社設立直後でまだ決算を迎えていない場合は、決算書の代わりに開始貸借対照表を提出します。設立時に負債がなければ資産額=純資産額となるため、設立時の資本金が500万円以上であれば要件を満たすことができます。

💬 行政書士より: 「設立したばかりで決算書がない」という場合でも、設立時に500万円以上の資本金を払い込んでいれば、開始貸借対照表で要件を満たせます。「先に会社を設立してから許可申請を検討したい」という場合は、設立時の資本金額をどう設定するかが重要なポイントになります。


直近決算で要件を満たしていない場合

直近の決算書の純資産額が500万円に満たない場合でも、申請時に預金残高証明書(要件②)で500万円以上の資金を証明できれば要件を満たすことができます。

ただし、複数の口座の残高を合算することは認められており、複数の金融機関からそれぞれ残高証明書を取得して合計500万円以上であれば問題ありません。

資金が一時的に口座にあればよいのかという点については、申請時点での残高が証明できれば足りますが、残高証明書の取得後に資金を引き出すことはリスクがあります。審査中に残高の確認が求められるケースもあります。


まとめ

財産的基礎の要件は、一般建設業であれば①自己資本500万円以上、または②預金残高証明500万円以上のいずれかで満たすことができます。直近決算の純資産が不足していても、申請時の預金残高で対応できる場合があります。

「500万円の要件を満たせるか不安」という場合は「資本金500万円が用意できない場合」で詳しく解説しています。


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