CADオペレーターで技人国ビザを申請できるか|審査の実態と注意点を行政書士が解説
この記事はこんな方へ
- CADオペレーターとして外国人を採用したいが、技人国ビザが取れるか確認したい
- 過去にCAD業務での申請が難しいと聞いたことがあり、実際のところを知りたい
CADオペレーターは技人国ビザで採用できる職種ですが、申請にあたって審査官から業務の専門性を厳しく確認されるケースが増えています。「CADを使う仕事だから大丈夫」と考えていると、不許可になるリスクがあります。この記事では、CADオペレーターで技人国ビザを申請する際の要件と、許可を得るためのポイントを解説します。
CADオペレーターは技人国ビザの対象になり得る
CADソフトを用いた図面作成・修正業務は、建築・土木の専門的な知識を要する業務として、技人国ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)の対象になり得ます。
ただし、技人国ビザが求める要件は「自然科学または人文科学の分野に属する技術または知識を要する業務」(入管法別表第一の二)であり、CADというツールを使うこと自体が要件を満たすわけではありません。CADを使って何を行うか、その業務に専門的な知識が必要かどうかが審査の核心です。
審査で「専門性あり」と判断されるCAD業務
以下のような業務内容であれば、技人国ビザの対象として審査上認められやすくなります。
- 建築・土木の設計図面を、設計者の指示のもとで専門知識を用いて作図・修正する業務
- 構造・設備・意匠などの専門的な仕様を読み取りながら図面を作成する業務
- 3D-CADやBIMソフト(Revit・Archicadsなど)を使用した専門的なモデリング
- 海外の設計事務所や施工会社との図面調整を担当する業務
💬 行政書士より: 建設業でのCADオペレーター採用は、ここ数年で入管庁の審査が厳しくなっている分野のひとつです。「CADオペレーター」という職種名がついていても、実際の業務が専門知識を必要としない作業に近い場合は不許可になることがあります。採用前に業務内容を具体的に整理し、専門性を書類で明確に示せるかを確認してください。
審査で「専門性なし」と判断されるリスクがある業務
以下のような業務内容の場合、技人国ビザの要件を満たさないと判断される可能性があります。
- 既存図面の単純なデータ化・電子化のみ
- 寸法や仕様の判断を伴わない単純なトレース作業
- 指示された内容をそのまま入力するだけで専門的判断を要しない業務
これらの業務は、CADというソフトウェアの操作技術は必要であっても、建築・土木の専門的知識を業務の遂行に直接使用しているとは判断されにくいためです。
採用する外国人に必要な要件
学歴との関連性
CADオペレーターとして技人国ビザを申請する場合、採用する外国人の専攻が業務内容と関連していることが必要です。建築学・土木工学・機械工学・建築デザインなどCAD業務に関連する専攻であることが望ましく、CAD専門学校の卒業も専門性の証明として有効です。
専攻がCAD業務と無関係な場合でも、10年以上の関連実務経験があれば代替できます(上陸基準省令)。ただし実務経験の証明には、具体的な業務内容・担当図面の種類・期間を示す書類が必要になります。
報酬
日本人と同等以上の報酬を支払うことが必要です(上陸基準省令)。
申請書類で特に重要なポイント
CADオペレーターでの申請において、業務内容説明書には以下を具体的に記載することが重要です。
使用するCADソフトと業務内容の関係として、使用するソフトウェアの種類(AutoCAD・Revit・JWCADなど)とそのソフトで行う具体的な作業内容、作成する図面の種類(平面図・断面図・構造図・設備図など)を記載します。
専門的な判断を要する場面の説明として、図面作成において外国人本人がどのような専門的判断を行うのかを具体的に説明します。設計者・監督者との業務分担も明記すると審査官に伝わりやすくなります。
専攻との関連として、大学・専門学校での専攻科目とCAD業務の関連性を説明します。CAD関連の授業・卒業制作・実習の内容を記載することも有効です。
💬 行政書士より: CADオペレーターの申請では、業務内容説明書の内容が不十分な場合に追加資料の提出を求められるケースが多くあります。審査が長引くと採用スケジュールに影響するため、最初から丁寧な書類を準備することが結果的に早道になります。
まとめ
CADオペレーターでの技人国ビザ申請は可能ですが、「CADを使う業務だから」という理由だけでは許可されません。建築・土木の専門知識を業務に活用していること、採用する外国人の専攻が業務内容と関連していることの両方を、業務内容説明書で具体的に示すことが許可取得のカギです。採用前の段階で業務内容を精査し、専門性を書類で説明できる状態を整えることをおすすめします。
CADオペレーターの採用についてご相談したい方へ
星野行政書士事務所では、CADオペレーターをはじめとする建設業の技人国ビザ申請をサポートしています。「この業務内容で申請できるか確認したい」「業務内容説明書の作成を依頼したい」という段階からお気軽にご相談ください。


