建設業許可の500万円ルール|許可が不要でも取得を検討すべきケースを行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「今は500万円未満の工事しかやっていないが、許可を取った方がいいのか」「500万円未満なら絶対に不要?」と迷っている方に向けて、500万円ルールの仕組みと、あえて許可を取るべき状況を解説します。


500万円ルールとは

建設業法では、1件の工事の請負金額が500万円未満(建築一式工事は1,500万円未満)であれば、建設業許可がなくても工事を請け負えると定めています。この基準内の工事を「軽微な建設工事」といいます(建設業法施行令第1条の2)。

つまり、500万円未満の工事だけを行う事業者は、法律上は許可を取得しなくても問題ありません。

ただし、この「問題ない」は「法律違反にならない」という意味であって、「許可を取らない方がいい」という意味ではありません。


500万円未満でも許可取得を検討すべき3つの場面

場面①|元請から許可を求められている

建設業では、元請企業が下請業者を選ぶ際に許可の有無を条件にするケースが増えています。「許可業者でないと契約できない」「許可番号を提出してほしい」と言われた経験がある方は、すでにこの状況にいます。

500万円未満の工事しか受けていなくても、取引先の方針次第では許可がなければ仕事が取れなくなります。

場面②|工事規模が500万円に近づいてきた

現在の工事が400〜450万円前後まで来ている場合、材料費や消費税を含めると実質的に500万円を超えているケースがあります。また受注金額が増えてきたタイミングで許可申請を始めると、審査期間(東京都の場合、申請受付後25日・閉庁日除く)の間に許可なしで工事を受け続けるリスクがあります。

余裕をもって申請するためには、「500万円を超えそうになってから動く」では遅い場合があります。

💬 行政書士より: 申請してから許可が下りるまでの間は、許可が必要な工事を受けることができません。「今月500万円の案件が来そうだから急いで申請したい」というご相談をいただくことがありますが、そのタイミングでは間に合わないことがほとんどです。許可の取得は、必要になる前に動くことが重要です。

場面③|将来的に法人化・事業拡大を考えている

個人事業主として許可を取得した場合、法人化する際には改めて法人として許可を申請し直す必要があります(個人の許可は法人に引き継げません)。将来的に法人化を考えているなら、法人設立のタイミングで許可申請をまとめて行う方が効率的な場合もあります。

また公共工事への参加を視野に入れている場合、入札参加資格の取得に建設業許可が前提条件となります。


500万円ルールの計算で注意すること

500万円の判断は「請負金額の合計」で行います。以下の点は特に誤解が多いポイントです。

材料費・消費税は請負金額に含まれます。工事費が400万円でも材料費が120万円あれば合計520万円となり、許可が必要です。また、同一工事を意図的に複数の契約に分割しても、実質的に同一工事とみなされれば合算して判断されます。

一方で、元請から無償で提供された材料費は請負金額に含まれません。この点はケースによって判断が分かれることがあるため、迷う場合はご相談ください。

💬 行政書士より: 「分割すれば許可不要になる」と考えて契約を分けるケースがありますが、同じ現場・同じ工期・同じ当事者での分割は、行政から一体の工事とみなされるリスクがあります。意図的な分割は避けることをおすすめします。


まとめ|「今は不要」でも早めの準備が得をする

500万円未満なら許可は不要ですが、以下のいずれかに当てはまる場合は、早めに許可取得を検討することをおすすめします。

  • 元請から許可を求められている、または求められそう
  • 工事金額が500万円に近づいてきた
  • 将来的な法人化・公共工事参加を考えている

許可の取得には要件の確認・書類準備・審査期間が必要です。「必要になってから動く」ではなく、事業の成長に合わせて前もって準備することが、結果的にスムーズな事業拡大につながります。


まず自分の状況を確認したい方へ

「今すぐ許可が必要かどうかわからない」という段階からご相談いただけます。現在の工事内容や今後の事業計画をお聞きした上で、許可の要否と取得のタイミングをご案内します。

許可が必要か確認したい方は、まずこちらからご相談ください


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