建設会社でも技人国ビザの外国人を採用できるか|職種と要件を行政書士が解説
この記事はこんな方へ
「外国人を採用したいが、建設業でも技人国ビザが使えるのか確認したい」「どんな職種なら採用できるのか知りたい」という建設会社の経営者・採用担当者の方に向けて解説します。
結論:建設会社でも技人国ビザで採用できる
技人国ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)は、建設業だから取得できないという制限はありません。建設会社においても、専門的な知識やスキルを必要とする職務であれば、技人国ビザで外国人を採用することができます。
ただし重要な前提として、技人国ビザは「専門的・技術的な業務」に従事するためのビザです。大工・とび・左官など現場での直接的な施工作業は、技人国ビザの在留資格要件には該当しません(入管庁ガイドライン)。
建設会社で技人国ビザが認められる主な職種
技術系(施工管理・設計・測量など)
建築・土木系の大学や専門学校を卒業した外国人、または10年以上の実務経験を持つ外国人が従事できる主な業務は以下のとおりです。
- 施工管理業務:工程管理・品質管理・安全管理・原価管理など(ただし直接的な現場作業は除く)
- 建築設計業務:図面作成・設計計算・建築確認申請など
- 土木設計業務:道路・橋梁・上下水道などの設計・積算
- CADオペレーター業務:CADソフトを使った図面作成・修正
- 測量業務:測量計算・成果品の作成など
- 研究・開発業務:新技術・新材料の研究開発
事務・管理系(人文知識)
経営学・法律・経済学などを専攻した外国人が従事できる主な業務です。
- 総務・人事・経理・法務などの管理部門
- 営業職:建設工事の受注営業・見積もり作成など
国際業務系
- 通訳・翻訳:海外技術者・取引先とのコミュニケーション
- 海外取引業務:外国企業との契約・交渉
💬 行政書士より: 建設会社での採用で最も多い相談は「施工管理で採用したいが認められるか」という点です。施工管理業務は工程管理・品質管理・安全管理などの専門的な業務であるため、原則として技人国ビザで認められます。ただし「施工管理」という名目で実態が現場作業であった場合は不許可になります。雇用契約書・業務内容説明書で職務内容を明確に記載することが重要です。
採用できない場合|現場作業のみは不可
技人国ビザでは、以下のような業務のみへの従事は認められません。
- 大工・とび・左官・溶接・配管など直接的な現場作業
- 資材の搬入・片付けなどの補助作業
- 単純な測量補助(計算・図面作成を伴わないもの)
入管庁のガイドラインでは「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする活動でなければならない」とされており、反復訓練で習得できるような業務は技人国ビザの対象外です。
「現場で働いている外国人をよく見るが?」という疑問について
建設現場で外国人が働いている光景はよく見られます。ただしそれらの方のほとんどは、技人国ビザではなく別の在留資格で就労しています。主なものは以下のとおりです。
- 特定技能(建設分野):型枠施工・左官・とびなど特定の作業に従事できる在留資格。技能試験と日本語試験への合格が必要。
- 技能実習(建設関係職種):国際貢献・人材育成を目的とした制度。大工・鉄筋・配管など多くの職種が対象。
- 特定活動(外国人建設就労者):技能実習修了者が引き続き建設業で就労できる制度。
現場作業の外国人を採用したい場合は、技人国ビザではなくこれらの在留資格が対象になります。詳しくはお気軽にご相談ください。
「研修」として現場作業をさせる場合の注意点
入社当初に日本人社員と同様の研修として現場作業を経験させる場合は、一定の条件のもとで認められることがあります。ただし「研修期間が長期にわたる」「最終的に技人国に該当する業務に就くことが確約されていない」ケースは不許可になります(入管庁ガイドライン)。
採用に必要な要件
建設会社が技人国ビザで外国人を採用するには、採用する外国人が以下の要件を満たす必要があります。
① 学歴または実務経験
- 大学(日本・海外を問わない)卒業以上で、従事する業務に関連する専攻であること
- または日本の専門学校(専門士・高度専門士)卒業で、従事する業務に関連する専攻であること
- または従事する業務に関連する10年以上の実務経験があること
② 学歴・経験と業務内容の関連性
建築系・土木系の学部を卒業→施工管理・設計業務というように、専攻と業務内容が関連していることが必要です。専攻と業務内容の関連性が薄い場合は不許可になるリスクがあります。
③ 日本人と同等以上の報酬
同じ業務を行う日本人社員と同等以上の給与を支払うことが必要です。
④ 雇用企業の安定性・継続性
会社の経営状態が安定・継続していることも審査されます。設立間もない会社や業績不振の会社は審査が厳しくなります。
建設業許可の有無は関係ない
技人国ビザの取得に、採用企業が建設業許可を持っているかどうかは関係ありません。建設業許可がなくても、上記の要件を満たせば技人国ビザで外国人を採用することは可能です。
ただし、建設業許可を取得していることで、取引先からの信用が高まり、外国人技術者を含む会社として対外的な評価が上がる側面があります。
→ 建設業許可についての詳細は「建設業許可とは」をご覧ください。
まとめ
建設会社でも技人国ビザで外国人を採用できます。施工管理・設計・CAD・事務職など専門的な知識を必要とする業務が対象で、直接的な現場作業のみは認められません。採用にあたっては、外国人本人の学歴・実務経験と業務内容の関連性を明確にすることが最重要のポイントです。
外国人採用についてご相談したい方へ
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