現場作業だけでは技人国ビザが取れない理由|在留資格の仕組みを行政書士が解説

この記事はこんな方へ

  • 建設現場で作業員として働いているが、技人国ビザへの変更を考えている
  • 現場作業の経験が豊富にあるのに技人国ビザが取れないと言われた理由を知りたい

現場での施工作業に長年従事してきた方にとって、「技人国ビザは取れない」という話は納得しにくいかもしれません。この記事では、現場作業と技人国ビザの関係を在留資格の制度の仕組みから丁寧に説明します。


技人国ビザは「在留資格の区分」の問題

まず大前提として、技人国ビザが現場作業に対応していないのは、その仕事が重要でないからではありません。在留資格には種類があり、それぞれ対象となる活動が法律で定められています。技人国ビザは特定の種類の業務にのみ対応する在留資格であり、現場での施工作業はその対象に含まれていないという制度上の区分の問題です。


技人国ビザが対象とする業務の定義

技人国ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)で認められる業務は、入管法別表第一の二に「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務」と定義されています。

さらに上陸基準省令では、大学等で専攻した分野に関連する業務に従事することが要件とされています。つまり技人国ビザは、大学・専門学校で学んだ専門知識を仕事で直接使うことを前提とした在留資格です。

現場での施工作業は、この「大学等で修めた専門知識を要する業務」という定義の外に位置づけられています。これは施工作業の価値・重要性とは無関係な、制度上の区分です。


現場作業の経験は「実務経験」として使えるか

技人国ビザの要件のひとつに、「10年以上の実務経験」があります。ただし、この実務経験は「従事する業務と関連する分野の実務経験」である必要があります。

現場での施工作業の経験は、同じ現場での施工作業を業務内容とする申請の実務経験としては活用できません。ただし、現場作業をしながら施工管理の業務(工程管理・品質管理・安全管理など)も並行して担当してきた実績がある場合は、施工管理業務の実務経験として評価される可能性があります。

💬 行政書士より: 「現場で10年以上働いてきたのに、なぜ実務経験として認められないのか」というご相談をいただくことがあります。技人国ビザの実務経験要件は、「どれだけ長く働いたか」ではなく「どのような業務を担当してきたか」が判断の基準です。現場作業と施工管理を兼任していた場合は、担当業務の内容を整理することで活用できる経験があるかもしれません。


建設業で技人国ビザを目指すには

現場作業に従事している方が技人国ビザへの変更を目指す場合、以下のような方向性が考えられます。

① 施工管理職への転換を目指す

現在の雇用先または転職先で、施工管理業務を担当するポジションに移ることができれば、技人国ビザの申請が可能になります。ただし、施工管理職への転換には建築・土木系の学歴または10年以上の施工管理実務経験が必要です。

② 特定技能ビザへの切り替えを検討する

現場での施工作業を続けたい場合は、特定技能(建設分野)が選択肢のひとつです。特定技能は型枠施工・鉄筋・とびなど特定の作業職種を対象とした在留資格で、技能試験と日本語試験への合格が必要ですが、現場作業を適法に続けることができます。


まとめ

現場作業だけでは技人国ビザが取れない理由は、技人国という在留資格の制度上の定義によるものです。現場で長年積み上げてきた技術・経験は非常に価値のあるものですが、技人国ビザの要件とは別の話として整理する必要があります。施工管理職への転換を目指すか、特定技能など別の在留資格を検討するか、自分の状況に合った方向性を確認することをおすすめします。


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