とび・土工工事業の建設業許可|工事の範囲と他業種との区分を行政書士が解説
この記事はこんな方へ
「足場工事・外構工事・コンクリート工事をしているが、どの業種で許可を取ればいいかわからない」「とび・土工工事業の範囲がどこまでか確認したい」という方に向けて解説します。
とび・土工工事業とは
とび・土工工事業(正式名称:とび・土工・コンクリート工事業)は、建設業許可29業種のうちの専門工事の1つです。足場の組立て・重量物の運搬・鉄骨の組立て・土砂の掘削・コンクリートの打設など、建設工事の基礎的・準備的な工事を幅広く含む業種です。
全許可業者の約36%がこの業種の許可を取得しており、29業種の中で最も許可取得数が多い業種です(国土交通省発表)。多くの建設現場で必要とされる基本的な業種といえます。
とび・土工工事業に該当する主な工事
国土交通省の区分の考え方に基づき、主な工事内容を整理します。
① 足場・仮設・重量物関係
とび工事・ひき工事・足場等仮設工事・重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事・鉄骨組立て工事・コンクリートブロック据付け工事
② くい工事関係
くい工事・くい打ち工事・くい抜き工事・場所打ぐい工事
③ 土工事関係
土工事・掘削工事・根切り工事・発破工事・盛土工事
④ コンクリート工事関係
コンクリート工事・コンクリート打設工事・コンクリート圧送工事・プレストレストコンクリート工事
⑤ その他の基礎的工事
地すべり防止工事・地盤改良工事・土留め工事・吹付け工事・法面保護工事・外構工事・はつり工事・アンカー工事・潜水工事 など
💬 行政書士より: 「外構工事もとび・土工工事業に含まれるのか」と驚かれる方がいます。門・塀・駐車場・庭など建物本体以外の工事(外構工事)も、この業種に含まれます。外構工事専門の事業者の方がとび・土工工事業の許可を取得するケースはよくあります。
他業種との区分で注意が必要なポイント
とび・土工工事業は範囲が広いため、他の業種と混同されやすいポイントがあります。
解体工事との区分
平成28年の建設業法改正により、解体工事は「解体工事業」として独立した業種になりました。それ以前はとび・土工工事業に含まれていましたが、現在は別業種です。解体工事を500万円以上請け負う場合は解体工事業の許可が必要です。
土木一式工事との区分
土木一式工事は、道路・橋梁・河川などのインフラを総合的に施工するもので、複数の専門工事を組み合わせて元請として施工管理する場合に必要な許可です。土砂の掘削や盛土など個々の工事を請け負う場合はとび・土工工事業が必要です。「土木一式工事の許可があれば掘削工事も制限なく請け負える」というのは誤解です。
鋼構造物工事との区分
鉄骨の製作・加工から組立てまでを一貫して請け負うのが鋼構造物工事業です。一方、すでに加工された鉄骨を現場で組み立てることのみを請け負うのはとび・土工工事業に該当します。
タイル・れんが・ブロック工事との区分
コンクリートブロックを使った工事でも、目的によって区分が変わります。根固めブロックや消波ブロックなど土木工事における規模の大きいブロック据付けはとび・土工工事業、建築物のブロック積みはタイル・れんが・ブロック工事業に該当します。
💬 行政書士より: 「自分の工事がとび・土工工事業に該当するのか、別業種になるのか」の判断は、実際の工事内容を具体的に確認しないと難しいケースがあります。複数の業種にまたがっているように見えても、主たる工事の内容で判断します。迷う場合はご相談ください。
とび・土工工事業の専任技術者になるための要件
とび・土工工事業で許可を取得するには、専任技術者の要件を満たす人材が必要です。
資格による場合(主なもの)
- 1・2級土木施工管理技士
- 1・2級建築施工管理技士
- 技術士(建設「鋼構造及びコンクリート」など)
- とび・とび工・型枠施工・コンクリート圧送施工の技能士
- 地すべり防止工事士(登録後1年以上の実務経験が必要)
実務経験による場合
とび・土工・コンクリート工事に関する10年以上の実務経験があれば、資格がなくても専任技術者になることができます。また指定学科(建築学・土木工学など)を卒業している場合は、3〜5年の実務経験で要件を満たせます。
まとめ
とび・土工工事業は、足場工事・外構工事・コンクリート工事・地盤改良工事など幅広い工事を含む業種です。全許可業者の約36%が取得している最も一般的な業種ですが、他業種との区分が紛らわしいため、自社の工事がどの業種に当たるか確認することが重要です。
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