建設業許可の営業所要件を満たせない場合はどうする?対処法を行政書士が解説

この記事はこんな方へ

「自宅を営業所にしたいが要件を満たせるか不安」「現在の事務所が建設業の営業所として認められるか確認したい」という方に向けて、営業所要件を満たせない場合の状況別の対処法を解説します。


まず「本当に満たせないか」を確認する

営業所の要件を満たせないと思っていても、実態を正確に確認すると対応できるケースがあります。まず自分の状況がどのパターンに当てはまるか確認してください。

営業所の要件は以下の6つです(令和7年度版東京都手引きP5)。

  • ア:外部から来客を迎え入れ、請負契約の締結等の実体的な業務を行っていること
  • イ:電話・机・各種事務台帳等を備え、契約の締結等ができるスペースを有していること
  • ウ:常勤役員等(経管)または令第3条の使用人が常勤していること
  • エ:営業所技術者等(専任技術者)が専任の者として常勤していること
  • オ:営業用事務所としての使用権原を有していること
  • カ:看板・標識等で外部から建設業の営業所であることが分かる表示があること

→ 各要件の詳細は「建設業許可の営業所の要件」で解説しています。


パターン別の対処法

パターン①|自宅を営業所にしたいが「住居専用」の賃貸契約

賃貸住宅の契約が「住居専用」になっている場合、原則として営業所として使用できません。以下の方法で対応できる場合があります。

対処法A:賃貸人(大家・管理会社)に使用目的の変更を交渉する 賃貸借契約の使用目的を「事業所兼住居」に変更するか、事業所使用に関する特約・承諾書を取得できれば営業所として認められる場合があります。

対処法B:別の場所に事務所を借りる 自宅とは別に小規模な事務所(シェアオフィス・レンタルオフィス等)を借りる方法です。ただしシェアオフィスについては、個別に建設業課の事前相談で認められるか確認が必要です。

対処法C:許可取得を先延ばしにして移転後に申請する 自宅を移転する予定がある場合や、適切な物件を探している場合は、移転後に申請する選択肢もあります。

💬 行政書士より: シェアオフィス・コワーキングスペースは「他法人等と事務室を共用している」状態になりやすいため、間仕切り等で明確に区分されているかが審査のポイントになります。契約前に写真等を持参して事前相談することをおすすめします。


パターン②|公的賃貸住宅(都営住宅・UR賃貸等)に住んでいる

公的賃貸住宅は、令和7年度版手引きP5で「原則、営業所としての利用が認められない」と明記されています。

この場合の現実的な選択肢は以下のとおりです。

対処法A:別の場所に事務所を借りる 公的賃貸住宅とは別に、事業所用途で借りられる物件を探します。

対処法B:転居する 公的賃貸住宅から民間賃貸住宅や持ち家に転居し、そちらを営業所にする方法です。


パターン③|間借り・同居で他の法人と同じスペースを使っている

知人や親族の会社の一角を間借りしているケースです。手引きでは「他法人または他の個人事業主の事務室等とは間仕切り等で明確に区分されていること」が要件とされています。

対処法:物理的な区分を設ける パーテーション・ガラス間仕切り等で執務スペースを明確に分け、それぞれに独立した表示(看板・社名プレート等)を設けることで要件を満たせる場合があります。申請前に事前相談で確認することをおすすめします。


パターン④|看板・表示がない

建設業の営業所であることを示す看板・標識がない場合(要件カ)は、表示を設置することで対応できます。

許可取得後は許可票の掲示が義務付けられますが、申請時点でも建設業を営む事務所であることが分かる表示が必要です。社名と「建設業」の文字が入った看板・プレートを入口に設置してください。


パターン⑤|要件ウ・エ|経管・専任技術者が常勤できない

経管や専任技術者が営業所に常勤できない場合、営業所の要件だけでなく許可要件そのものに関わります。

テレワークの場合は「社会通念上、営業所に通勤可能な距離」であることが求められます(令和7年度版手引きP5)。遠方に居住している人を経管・専任技術者として登録することは認められません。

→「経営業務管理責任者がいない場合」 →「専任技術者がいない場合


立入調査への注意

手引きP5には「営業所の実態が申請書上で把握できない場合や、申請書の受付後に営業所の要件を満たしているか否かが不明な場合などには、立入調査を行うことがあります」と明記されています。

申請後に実態と異なることが判明した場合、許可が下りないだけでなく、虚偽申請として欠格要件に該当するリスクもあります。要件を満たしているか不安な場合は、申請前に事前相談することが重要です。


まとめ

営業所要件を満たせない場合でも、賃貸契約の変更・別途事務所の確保・物理的な区分の設置など、状況によって対処法があります。特に公的賃貸住宅・住居専用契約・シェアオフィスのケースは事前相談が必要です。「要件を満たせるか確認したい」という段階からご相談ください。


営業所の要件について相談したい方へ

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許可が必要か確認したい方は、まずこちらからご相談ください


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