建設会社の外国人採用で技人国ビザが不許可になる理由と対策|行政書士が解説

この記事はこんな方へ

  • 技人国ビザの申請を検討しているが、不許可になる理由を事前に把握しておきたい
  • 一度不許可になってしまい、何が原因だったか知りたい

建設業での技人国ビザ申請は、他の業種に比べて審査が厳しくなるケースがあります。不許可になる理由の多くは、事前の準備段階で防げるものです。この記事では、建設会社からの申請でよく見られる不許可の原因と、その対策を解説します。


不許可理由① 業務内容の説明が不十分

建設業での申請で最も多い不許可理由が、業務内容説明書の記載が不十分なケースです。「施工管理業務」「設計業務」といった抽象的な記載だけでは、審査官が業務の専門性を判断できません。

建設業は現場での施工作業と専門的な管理・設計業務が同じ現場内で行われるため、技人国ビザに該当する業務かどうかを書類上で明確に区別できるよう記載する必要があります。

対策:業務内容説明書には、担当業務の具体的なフロー・現場に出る目的と頻度・職人や作業員との役割分担・担当する工事の規模と件数を記載する。「管理・監督のために現場に出る」ことを明示する。


不許可理由② 学歴・実務経験と業務内容の関連性が薄い

採用する外国人の専攻が、担当させる業務と関連していない場合は不許可になります。たとえば、文学部卒の外国人を施工管理職として採用しようとするケースや、情報工学専攻の外国人を建築設計に就かせようとするケースでは、関連性の説明が難しくなります。

対策:採用候補者が決まった段階で、専攻と担当業務の関連性を確認する。関連性が薄い場合は10年以上の実務経験で代替できないか検討する。実務経験で代替する場合は、以前の勤務先が発行する在職証明書・業務内容証明書を早めに準備する。

💬 行政書士より: 「この専攻で申請できるか」という判断は、専攻名だけでなく履修した科目・卒業論文・実習内容まで含めて総合的に行われます。専攻名と業務の関連が一見薄く見える場合でも、履修内容によっては関連性を示せるケースがあります。採用前にご相談いただければ見通しをお伝えできます。


不許可理由③ 会社の規模・安定性への懸念

設立間もない会社、業績が赤字・債務超過の会社、従業員数が少ない会社は、雇用企業の安定性・継続性について入管庁から懸念を示される場合があります。

対策:決算書に加え、元請との継続的な取引実績・受注済み工事の契約書・建設業許可証(取得済みの場合)を提出して会社の実態を補足説明する。設立後間もない場合は事業計画書を丁寧に作成する。


不許可理由④ 報酬が日本人と同等でない

採用する外国人に支払う報酬が、同じ業務を行う日本人社員の報酬より低い場合は不許可になります(上陸基準省令)。最低賃金を上回っているだけでは不十分であり、「日本人と同等以上」が基準です。

対策:雇用契約書に報酬額を明記する。同職種の日本人社員の給与水準と比較できる資料(給与規程など)を準備しておく。


不許可理由⑤ 在留期間中の業務内容の変化(更新時)

初回申請時には許可されていても、更新申請時に業務内容が変わっていたことが発覚して不許可になるケースがあります。特に以下の状況が更新審査で問題になります。

  • 施工管理として採用したが、実態として現場での施工作業に多くの時間を割いていた
  • 担当部署が変わり、当初申請した業務とは異なる業務に就いていた
  • 会社の業績悪化で担当工事がなくなり、在留資格に該当しない業務をさせていた期間が長かった

対策:採用後も申請時の業務内容との整合性を定期的に確認する。業務内容が大きく変わる場合は、在留資格変更許可申請が必要になる場合があることを把握しておく。

💬 行政書士より: 更新時の不許可は、採用した外国人本人にとっても会社にとっても大きな問題になります。初回申請時の業務内容説明書の内容と実際の業務が一致しているかを、更新申請の半年前から確認する習慣をつけることをおすすめします。


不許可理由⑥ 必要書類の不備・記載ミス

申請書類の記載漏れ・記載ミス・翻訳文の添付漏れなどの形式的な不備も、審査の遅延や不許可の原因になります。特に外国の機関が発行した書類(卒業証明書・在職証明書など)に日本語訳文が添付されていないケースは頻繁に見られます。

対策:提出前に書類の記載内容・添付書類の過不足・翻訳文の有無を確認する。チェックリストを使って漏れがないか確認する。


まとめ

建設会社での技人国ビザ申請が不許可になる主な理由は、業務内容説明書の不十分さ・学歴と業務の関連性の問題・会社の安定性への懸念・報酬基準・更新時の業務変化・書類不備の6点です。いずれも採用前の準備段階で対策が可能なものがほとんどです。不許可になってからの再申請は時間・費用ともに大きな負担になるため、申請前に専門家に相談することをおすすめします。


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